Our Stories

「これからのシブヤ」について考える、カフェから生まれるアイデア

「café 1886 at Bosch」は、ただのカフェではなく、まちの人やアイデアが集まる“場(ドイツ語でいうPlatz(プラッツ))”になりたいと考えています。「渋谷というまちのハブ的存在になりたい」、その想いから場を提供しているイベントが<green drinks Shibuya>。私たちがよりコミュニティの場として発展していくために何が必要なのか、当イベントの主催メンバーに伺いました。

「これからのシブヤ」を考えるトークイベントから生まれる新しい交流

撮影:nD inc. / Ayako Hiragi

ある日の夜、café 1886 at Boschで行なわれていたのは<green drinks Shibuya>というイベントが開催されていました。これは、渋谷区の民間企業や区の職員、様々な背景を持つゲストたちと一緒に「これからのシブヤ」を考えるトークイベントです。私たちボッシュは交流の場を提供し、NPO法人グリーンズ主導のもと、共同主催で開催しています。

2017年5月から基本的に毎月第3木曜日にこのカフェで開催しており、毎回「働き方」や「子育て」、「再開発」など社会問題にまつわるテーマを掲げ、それぞれのテーマに合ったゲストを招いてトークセッション、ワークショップ、交流会を行なっています。

参加者は毎回多種多様。平日の夜という時間帯もあり、渋谷で働く会社員から渋谷に何十年も住んでいる年配の方、学生、テーマに興味を持った遠方の方まで顔を揃えます。

今回、3周年のタイミングで取り扱うテーマは「ナイトエコノミーを考える」。いままでになくエッジが効いたテーマですが、おかげさまで満員御礼。カフェには多くの方が溢れていました。

ゲストは、東京を代表するHIPHOPアクティビストであり「渋谷区観光大使ナイトアンバサダー」を務めるZeebraさん、原宿をはじめとした日本のポップカルチャーを世界に発信しているアソビシステムの中川悠介さん、そして渋谷区副区長の澤田伸さん。参加者のみなさんはゲストの話に熱心に耳を傾け、直接質問したり意見の交換なども行なっていました。

今回のテーマは、どうやってナイトタイムを活用するかということ。民間と行政が協力して工夫し合い、夜の渋谷の経済活動を活発にしていくことが重要です。そして、いずれ渋谷というモデルケースを別の地域に輸出していくことができたら…。日本の経済を元気にすることにつながるかもしれません。

イベント後の懇親会では、カフェの飲食メニューを片手に、ゲストと参加者たちの間で新しい交流が生まれ続けていました。この交流から何かが生まれてくるかもしれません。


渋谷ならではのイノベーティブなことを生み出す場に育てたい

株式会社フューチャーセッションズ 野村恭彦さん

<green drinks Shibuya>は、渋谷区主催のプロジェクト「渋谷をつなげる30人」から生まれました。「渋谷をつなげる30人」は、株式会社フューチャーセッションズの代表・野村恭彦さんが運営しており、2018年で第3回を迎えます。

これは、渋谷というまちで、ただ知り合ってつながるのではなく、お互いに持っているスキル、知見、アイデアを持ち寄り、それらをつなげることで新たなものを生み出したいという思いから生まれた企画です。

30人が半年から1年という時間をかけて一緒にプロジェクトを動かすのですが、ポイントは30人がただのプレイヤーになるのではなく、コミュニケーションのハブになること。そこから、さらに周りにいる外の人たちに働きかけて、輪を大きくし、規模を大きくしていきます。

そうして紡がれた関係性は、単純にお互いを高め合おうというわけではなく、「この人のためならちょっと無理もできる」という温かみが感じられるもの。そんな関係性のコミュニティが誰かのサードプレイス(自宅や職場とは異なる第3の居場所)になれば、もっと世界は面白くなると信じています。

野村「考えてみると、ファーストプレイスである自宅も、セカンドプレイスである職場も契約があって窮屈ですよね。契約のない自由なサードプレイスとしてコミュニティがあれば、そこでこそイノベーティブなことが生まれると思うんです。」

私たちのカフェは、そのハブとなるような場所でありたい。

そこから生まれるものは、必ずしもビジネスである必要はありません。ただ、お互いにギブし合える関係をつくることで、結果的にコミュニティが形成されればいい。そうして生まれたひとつが<green drinks Shibuya>なのです。


渋谷で社会実験をし、成功モデルを世界へ発信

NPO法人グリーンズ 植原正太郎さん

<green drinks Shibuya>をメインで運営しているのは、グリーンズの植原正太郎さんです。

フューチャーセッションズのイベントにグリーンズのメンバーが登壇したりと以前から交友のあった野村さんと植原さん。「渋谷をつなげる30人」で本格的につながり、<green drinks Shibuya>から協働するようになりました。

<green drinks Shibuya>を私たちのカフェでやることになったのは、「渋谷をつなげる30人」に当社の社会貢献活動を担当している佐伯が参加したことがきっかけ。そこで佐伯と植原さんが出会い、3人の共通の興味が、渋谷をテーマに「人と人をつなげること」だったことから開催することになりました。

植原「佐伯さんから、ボッシュは単純なカフェ営業がしたいのではなく、ボッシュと渋谷あるいは東京をつなげるハブのような場所になりたいという思いでつくったと聞いたんです。でも、自分たちでそういう企画をするのは難しい、と。だったら、その部分をグリーンズが手伝えるなって思ったんです。」

ボッシュにはカフェという場がある。植原さんのグリーンズにはまちづくりの知見がある。そして、野村さんは地域に根ざしたソーシャルイノベーションや人脈づくりができる。三者がお互いにリソースを持ち寄って生まれたものこそが、<green drinks Shibuya>なのです。

渋谷に若い人たちのムーブメントを起こしたいというグリーンズの思いと、ボッシュのカフェを利用して若い人たちのコミュニティやネットワークの場をつくりたいという私たちの思いが重なり、始まったこのプロジェクト。

共通の目的は、渋谷で生きている自分たちの手で渋谷の未来をつくっていくことです。そして、このプロジェクトを社会実験として行ない、ここから生まれた渋谷モデルを世界に広めていきたいと考えています。

野村「渋谷って、よく新しいものを受け入れるまちって言われるじゃないですか。渋谷で新しい発想を実験して、それがコミュニティのスタイルになったところでいろいろな地域に広める。そうやって“受け入れてもらえる”スタイルをつくれるというメリットが渋谷にはあるんじゃないですかね。」


コミュニティ運営のプロが語るcafé 1886 at Boschと渋谷の可能性

これからもコミュニティの役割を担うカフェでありたいと思っているcafé 1886 at Bosch。もし、コミュニティのプロである野村さんと植原さんが運営に携わるとしたら、どう変えていくのか?思い切って聞いてみました。

野村「ボッシュが持っているイノベーションの要素をもっと持ち込んでも面白いかもしれないですよね。ボッシュがつくっているテクノロジーを活かしたアイデアを渋谷で実験し、その成果をこのカフェで発表するっていう循環をつくるとか。で、カフェ自体をボッシュの本社があるドイツに逆輸入する!」

植原「ボッシュって、実はすごく最先端のITを活かしたものづくりをやっているんですよね。でも、それをそのまま宣伝すると関心を持たれづらいと思うので、『未来の自動車について考えよう』などの企画をボッシュ主催でやるとか。」

確かに、ボッシュならではの特性を活かしたプロジェクトやイベントを実施し、コミュニティづくりを活性化していくのはいいかもしれません。

野村「あと、会員制度があってもいいかなって。もちろん会員じゃない人も普通に使えるんだけど、『俺は会員なんだけどね、ふふん』みたいな(笑)。で、会員同士は情報交換ができたりして、サロン的な役割を担えても面白いですよね。」

私たちのカフェに毎日のように立ち寄ってくれている、ヘビーユーザーならではの意見です。

野村「渋谷には面白いプレイヤーが集まっていると思うんですよね。別にビジネスのためにじゃなくて、その人たちと信頼できる仲間になって、彼らとこのまちをつくる。自分のワークとライフをつなげていく。それって、単純に渋谷に会社があるからなんだけど、それ以上に、僕らは渋谷で仕事をして、渋谷に生きているってすごく感じるんです。」

再開発により、大きく姿を変えている渋谷。最先端の情報を持った人たちが集まる渋谷。これからの可能性を秘めている渋谷。そんな渋谷で生きている私たちだからこそ、できることがきっともっとあるはずです。café 1886 at Boschは、そのハブ的機能を持った場として存在していきたいと思っています。


ページトップ