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どんな時も飲んで落ち着く、上質で日常に寄り添うコーヒーを焙煎する

café 1886 at Boschを語るうえで欠かせないものといえばこだわりのコーヒーです。スタンダードでありながら質の高い味わいで、多くのカフェファンに楽しんでいただいています。このコーヒーをブレンドしてくださったのが、銀座の名店ロースター「TORIBA COFFEE」の代表である鳥羽伸博さんと焙煎士の滑川裕大さんです。

社長のひと言でバリスタから焙煎士へとキャリアチェンジ

TORIBA COFFEEの2階にある焙煎室で、大きな焙煎機と向き合っている焙煎士の滑川さん。いつもcafé 1886 at Boschのコーヒー豆を焙煎してくださっています。そのモニターを見つめる白衣姿は、実験をくり返す研究者のよう。オフィスも実験室をコンセプトに作られていることから、ユニフォームも白衣なのだとか。

滑川さんはもともとバリスタになりたいと思い、コーヒーの世界に足を踏み入れました。大学卒業後のオーストラリアや帰国後の日本でも、カフェでバリスタとして働いていました。

ある日、社長の鳥羽さんから「焙煎をやらないか」と声をかけられたのです。

2013年当時、鳥羽さん率いる株式会社バードフェザー・ノブではコーヒー豆の需要が増えており、2014年にはTORIBA COFFEEをオープンする予定でした。それまでは鳥羽さん自ら焙煎していましたが、人手が足りなくなってきていたタイミングでした。

エスプレッソを始めとするコーヒーを淹れたり、ラテアートを描いたり接客するのがバリスタの主な仕事。一方で、焙煎士は、コーヒーを生豆から炒り、おいしいコーヒーが淹れられる素材を仕上げるのが仕事。当時、バリスタの延長線上に焙煎があると考えていた滑川さんは「コーヒーのことなら何でもやりたい、全部知りたい」という精神で焙煎士の道を選択しました。

滑川さん「最初の1年は、もうバリスタに未練タラタラ(笑)ラテアートしたい!エスプレッソ抽出したい!みたいな気持ちがとてもありましたね。でも、TORIBA COFFEEが開業したあたりから、焙煎とちゃんと向き合おうっていう気持ちが強くなっていったんです。」

焙煎の製造技術はあまり公にされていません。そのため滑川さんは、化学者が実験をくり返すように何度も焙煎したり、感覚的な部分を身体に覚えこませ、自分の中に経験則と理論をつくり上げていきました。

その繰り返しの結果、確かな品質のコーヒー豆を提供できる技術を磨き上げたのです。


誰もがおいしく淹れられて、ゴクゴク飲めるコーヒーをつくる難しさ

写真はコーヒーワークショップの様子

滑川さんがコーヒーを焙煎するうえでもっとも大事にしているのは「ごくごく飲めるコーヒー」に仕上げること。そのために、「きちんと焙煎すること」を心がけています。

コーヒーは植物であるため、きちんと中心部まで焼けていないと飲んだ際に、い草っぽい風味が出てしまい、飲みにくいコーヒーになってしまいます。特に浅煎りの場合は焙煎する時間が深煎りに比べて短くなるので、気をつけているそうです。

ゴクゴク飲めて、スーッと喉を通るコーヒーをつくるために行なっているのが「阻害要素を排除」していくこと。“おいしい”コーヒーをつくるために、“おいしくない”要素をなくしていくのです。

滑川さん「例えば、渋みやエグ味、過度な酸味、過度な苦味は必要ないですよね。これらがあったら、喉をスーッと通らなくなりますし、何よりおいしくない。コーヒーは嗜好品ですし、人によって好みはありますが、誰にとっても良くない要素はどんどん潰していきます。」

もうひとつ大事にしているのが、誰が淹れてもおいしくなること。TORIBA COFFEEのコーヒーは、お客様が自宅で淹れることを前提に焙煎されています。そのため、高度なテクニックがなくてもおいしく淹れられるクオリティの高い焙煎が求められます。

コーヒーはただの飲みものではなく、人の緊張をふっと解いたり、逆に気持ちをキュッと引き締めたりして、人の日常に寄り添う存在です。だからこそ滑川さんは、TORIBA COFFEEのコーヒーが誰もが気軽に自宅で楽しめるコーヒーになるよう心血を注いでいます。


数々の試行錯誤を繰り返し、誕生した極上のブレンド

「真面目なモノづくりの会社のブランドイメージに合ったコーヒーを出したい」そのような弊社からの依頼を受けた当時の鳥羽さんの言葉です。

鳥羽さん「最近流行りのスタイルではない、真面目なカフェをつくりたいとのことだったので、ぜひやってみたいなと思いました。しかも、マルディ・グラの和地さん(※グルメサンドウィッチの開発担当をしたシェフ)と一緒に仕事ができると聞いて、きっと面白い企画になるなって。日本人とドイツ人はどこか似ているところがあるし、両方が持つ真面目さを、和知さんとだったら表現できると思いました。」

café 1886 at Boschでどんなコーヒーを出すか――。

私たちボッシュのメンバーと鳥羽さん、滑川さんは、カフェの雰囲気や提供する料理を元に話し合いました。ボッシュの本社があるドイツでの視察内容を共有し、ディスカッションを繰り返した結果、いわゆる「ジャーマンコーヒー」と言われる深煎りと浅煎りの2種類を出すことに決定しました。

テイスティングは全3回行なわれ、その度に鳥羽さんと滑川さんは、浅煎りと深煎りで3種類ずつ提案してくれました。ある回では、実際にカフェで提供するグルメサンドウィッチを食べながらテイスティングし、味を調整していきました。

滑川さん「どうやったら食事に合うかなと考えていました。食べて飲んだときに、コーヒーが主張してもいけないし、グルメサンドウィッチの油分とコーヒーが合わさって、口の中でうまく甘さとなって消えていくようなのがいいかなって。それでいて、食事をしないでコーヒーだけを飲んだ際にも、きちんとおいしいものにしました。」

数々のテイスティングの後、非常にスタンダードでありながらクオリティーの高い自慢のコーヒーが完成しました。


日常の中に当たり前にある、生活に寄り添う1杯のコーヒー

カフェとはどんな場所でしょうか。私たちボッシュ社員にとっては、1日に1度は訪れる「ホーム」のような場所。ときにはリラックスし、ときにはミーティングで使用し、日々の生活の中に何げなく溶け込んでいます。

お客さまにとっても同じです。お仕事の作業、待ち合わせ、お打合せなどをするために毎日来店される方もいらっしゃれば、つかの間の休憩で使用される方もいらっしゃいます。そんなお客さまや社員が、1日のうちにいつ飲んでも落ち着くコーヒーをプロデュースしてくださいました

滑川さん「特別なものじゃなくていいと思います。日常のなかに当たり前のようにあって、疲れたとき、辛いときに飲んだらホッとできるといい。カフェはお客様にとって戻ってくるような場所でもあると思うので、ここでコーヒーを飲むことで少しでも癒されてくれたらいいなと考えています。」

1杯のコーヒーがあるから頑張れるときもあれば、1杯のコーヒーが何でもない時間を上質な時間に変えてくれるときもあるのです。

鳥羽さん「まずはあの贅沢な空間で過ごす時間を楽しんでいただきたいです。このカフェでコーヒーを飲むことで、楽しい時間がより楽しい時間にしていただいたり、リラックスしていただけるといいなと思います。」

お客様ひとりひとりの日常を少しでも彩れるよう、café 1886 at Boschは1杯1杯丁寧にコーヒーを淹れ続けてまいります。


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